「およよ」な話   2018.12.11

皆さま、こんばんは。
15日から年賀状の受付が始まりますが、皆さまは準備万端でしょうか。
私も大急ぎで仕上げてしまいましょう。

☆さて、
平成生まれの人は「およよ」と聞いて
6代目桂文枝さんが三枝(さんし)時代に使っていたギャグだと知る人は皆無と思います。「ええっ」と驚いた時のリアクションに
「およよ」と言って客席を笑わせていたものでした。

☆先日、梅田の阪急百貨店に行こうと地下鉄御堂筋線に乗った時のことです。
平日のお昼(車中はさほど混んではいませんでした)
私が座って文庫本を開いていましたら、左隣の青年がパッと席を立ちました。気配に顔をあげましたら、
「どうぞ、どうぞ」
と、ちょうど乗ってきたお年寄りに席を譲ったところでした。
「いや、私、そんな年寄りじゃないですから」
「そう言わず、どうぞどうぞ」
「そうですか。済みませんなあ」
私の左横に座った身なりの良いご老人は血色もよくお元気そうでしたが、
どう見ても八十は来ているだろうなあという感じでした。
「私、幾つに見えます?」
ご老人が正面に立つ席を譲ってくれた青年に尋ねますと、(大学生でしょうか)気のよさそうなこの人は何度も目をしばたたかせて
「さあ、七十くらいですか」
彼とて、このご老人が七十幾つとは思ってなかったはずです。優しさから、ご老人に気遣いして若く言ってあげたことはすぐにわかりました。
「はっはっ、そんなに若く見えますか」
ご老人はご満悦になって高笑いすると、
「私、94歳です」 \(◎o◎)/

これには私もびっくりして、つい顔を左に向けて
「まさか、明治ではないですよね」
と聞いてしまいました。
「私は大正ですよ」
「そうですわね。いくら何でも、明治45年生まれでも百才はゆうに越えますものね」
「明治は45年、 大正は15年続きまして、私は大正が終わる少し前の生まれで、すぐに昭和に突入したわけです……云々」
語り口から「お若い頃は教鞭をとっていたのですか」と尋ねますと、
「プロフェッサーになりたかったのですが、叶いませんでね」
さらりと英語を使って、やおら、膝に置いた革製の大きな巾着袋から
「今の私は、水泳とおしゃれする事と趣味の教室に通うことが生き甲斐の日々です。これは趣味の教室で作った千代紙で作った小物入れです。あなたに差し上げましょう」
と取り出したのは、カラフルな千代紙で作られた幅15センチくらいで高さ2センチほどの八角形の小箱。
「私じゃなくて、席を譲ってくれた人に」
「ああ、そうですね。でも、まだ有りますから」
ご老人は巾着袋からもう一つ取り出して、私に渡しました。

顔を上げましたが、話し込んでいるうちにさきほどの青年の姿は見えず、斜め前に立ってスマホをいじっている似たような体型の人が居たので席を立って、
「さっき、席を譲ってくれた方ですか」
と尋ねますと、
「いいえ、僕じゃないです」
「あら。でも、せっかくだからあなたも一つ頂いてください」
混雑していない車中でしたので、私たちの会話は耳に届いていたようで、はにかみながら、
「そうですねえ。せっかくの手作り作品らしいし」
と、受け取ってくれました。
最初に席を譲ってあげた青年もこの人も、なんと優しいことでしょう (^ー^)

席に戻った時、ちょうど梅田駅に到着したので
「ここで降りますから、失礼します」
と言いますと、
「私もここで降ります」
とご老人も一緒に降りて、エレベーターに乗って上の階に行こうとして列に並んだ時、
「私、奥さんみたいな人は好みです。では、お元気で」
と言い残して、左側の追い越しレーンをササッと歩いて上がっていきました。
この時ばかりは
カシミヤと一目でわかる上質な茶色のコートの後ろ姿を見ながら、
「およよ」
と、笑ってしまいました。

☆紙細工ですから私のハンドバッグに入れると型崩れするでしょうし、むき出しのまま持ち歩くのもどうかと思いまして紀伊国屋で本を買い、紀伊国屋の袋に入れて持ち帰って今はサイドテーブルにちょこんと乗せています。

写真をブログに掲載するやり方を知らないので、皆さんにお見せできないのが残念ですが、
なかなか上手に作ってあります。
 
以上、師走の「およよ」な話でした (*^o^)/\(^-^*)

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